物作りの醍醐味を味わえる!タツモ入社2年目の若手技術者が語る、電気設計の面白さ

ピンク

written by ダシマス編集部

私たちの生活は、さまざまな家電や電子機器に支えられています。その多くには数えきれないほどの電子部品が搭載されており、その1つに「半導体」があります。

今回取材したのは、岡山県で半導体製造装置のほか、液晶関連装置など数々の設備を製造しているタツモ株式会社。お話は、半導体製造装置の電気設計を担当する入社2年目の嵯峨 航(さが わたる)さんです。

卓越したテクノロジーを駆使し、私たちの暮らしを支える同社で、嵯峨さんは日々どのような仕事に尽力し、何を思うのか。物作りの面白さについて、タツモの若手エースが語ります。

タツモ株式会社 嵯峨 航(さが わたる)さん

タツモ株式会社 嵯峨 航(さが わたる)さん

1998年生まれ。岡山大学大学院 自然科学研究科を卒業。地元は大阪だが、大学生活の中で岡山という地に魅力を感じ、岡山での就職、及び半導体産業に焦点を当て、タツモに入社。 2024年で新卒2年目、半導体製造装置の電気設計に従事。お酒が好きで出張の際にはタイミングが合えば必ず飲みに出向く。ゲーム好きで休日は基本家にいるため、最近アウトドアな趣味が欲しいと感じている。

身の回りの電子機器にタツモの影あり!技術革新とともに進む、タツモの急成長

――最初に、貴社の事業概要について、教えていただけますか。

弊社は半導体製造装置や液晶関連(フラットパネルディスプレイ)装置、ウェーハ搬送ロボットの製造・販売を主軸事業として展開しております。私が所属する半導体製造装置部署では、電気設計を担当しています。

――半導体とはどういった製品なのか、簡単に教えていただけませんでしょうか。

半導体は、多くの電子機器に搭載されている電子部品の総称です。一定の電気的性質を持つトランジスタやダイオード、ICなどがこれに該当します。

半導体の主な材料は、「シリコンウェーハ」と呼ばれる円盤状のシリコンです。この円盤に回路を書き込み、小さく切り取ることで半導体としての機能を有するようになります。弊社は500あるといわれている半導体製造工程の1つ  、回路を書き込んだ後のシリコンウェーハを薄く削る段階で、サポートの役割を担うガラスに関連する4工程を進める装置等を製造・販売しています。

――半導体ができるまでに、100もの製造工程があるのですね。貴社の装置によって生まれた半導体が搭載されている電子機器には、どのようなものがあるのでしょうか。

一言でお答えするのは難しいですね……。弊社のお取引先が製造した半導体を使用した電子機器すべて、ということになるので、PCや冷蔵庫などの家電製品、スマートフォンなど、もしかすると身の回りにある電子機器はほとんど弊社がかかわっているかもしれません。

コロナ禍による外出自粛の影響で、家電やゲーム機などの販売数が急増し、同時に半導体の需要も急激に高まりました。その結果、弊社の半導体製造装置に対する需要も増え、ここ数年は急成長を迎えています。生成AIなど、新たな技術革新は絶えず進んでいるので、時代の流れとともに弊社も成長を続けています。

――人の生活を支える、重要な装置を世に届けているのだとわかりました。貴社の製品である半導体製造装置とは、どのようなフローで作られているのですか。

まず装置自体の筐体を作り、続いて電子回路や配線関連などの電気設計、そして電気が通るようになったらソフト関連を進めていき、最後に正しく動くか検証する。大まかにお伝えすると、このような流れになります。

私はその中でも2番手に当たる、電気設計を担っているんです。全体の納期を意識しながら、日々複数機種の設計にあたっています。

 

岡山の魅力にハマった学生時代。ニッチな専門性を磨くため、入社を決意

――嵯峨さんは、現在入社2年目とお伺いしました。学生時代はどのような生活を送っていたのでしょうか。

岡山大学の理学部物理学科に入学し、素粒子について研究していました。実験や所属していた卓球部の練習など、割と忙しい4年間を送っていたと感じます。そのまま大学院へ進み、2年間実験で茨城県に出張へ行くなど、実験漬けの毎日でしたね。

――なぜタツモへの入社を決めたのでしょうか。

当時、素粒子にレーザーを当てて分光させる研究を主に進めていたのですが、半導体製造装置にはレーザーを用いるものがあるんですよ。学生時代の研究が直接活きるわけではないものの、何か役に立つかもしれないと思い、入社を決意しました。

大学から岡山に越してきたのですが、学生生活を送る中でこの土地が大好きになってしまって。県内就職できて、さらに半導体にまつわる企業で……と絞り込んでいたら、自然とタツモに結びついていきました。

――入社前と後で、何か印象が変わったことなどはありましたか。

入社前にイメージしていた以上に、仕事の奥深さに驚かされましたね。会社説明会で、よく弊社の社長が「タツモはニッチトップ企業だ」という話をされていたんです。実際に働いてみて、半導体製造装置というニッチな分野をここまで深めているのかと感動し、もっとここで専門性を極めていきたいと思いました。

 

物作りの面白さと難しさが両立した仕事。学びを仕事に活かすやりがい

――他社にはないタツモの強みを教えてください。

顧客の要望に応じ、オーダーメイドで装置製造を行っている点は弊社の大きな強みだと思います。半導体といっても仕様はさまざまで、それに応じて製造装置の設定も変わってきます。弊社の営業担当がお客様の要望を細かくヒアリングし、ベースの装置から仕様の追加・削除を細かくすり合わせしてから、私たち設計部隊が形にしていくんです。

技術者だけでなく、営業担当まで半導体や装置についての豊富な知見を持ち合わせている弊社だからこそ、なし得る事業だと思います。

――営業担当にまで専門知見が精通しているのですね。オーダーメイドとなると、実際の設計時には数々の工夫が必要なのではないでしょうか。

まさにその通りで、ベースの仕様からの変更点が多いほど、その分電気設計の難易度も上がります。知見を溜め、より精度の高い設計を行えるように精進しているところです。

――日々の仕事の中で、どのような点にやりがいを感じていますか。

さまざまな部署と連携して装置の完成を目指す、その過程自体にワクワクしますね。半導体製造装置は、幅3m×奥行き2.5m×高さ2.5mと大きいものです。機械設計と電気設計、ソフト設計それぞれが異なる専門性を発揮する、物作りの醍醐味を日々実感しています。

それに、図面上では見つけることのできない、予期せぬ不具合が生じるのも、物作りの面白さだと思います。日々少しずつ経験を積み重ねて、工夫を凝らしながら完成を目指すのが楽しくて、やりがいにつながっています。

――面白みと同時に難しさもあるということで、知識や経験が求められる仕事なのではないかと感じます。

入社前の知識・経験が問われるより、仕事の中でどんどん専門性を高めていく領域なのかなと思います。

入社後の4月からお盆頃の本配属までは新入社員研修で製造部門での研修がありますし、配属後も随時セミナーや研修の機会はあります。基本的な電気設計の知識も先輩方から指導いただけるので、入社時に特段知識・経験がなくても問題ないかなと。

大学時代に半導体製造装置について研究してきた学生の方は少ないはず。仕事を通して新しいことを貪欲に学び、学んだことを物作りに活かす、その過程を楽しいと感じられる方には、きっとぴったりな会社だと思います。

 

若手の活躍機会も多数。メリハリある職場で、電気設計のプロを目指したい

――社内の雰囲気について、教えてください。

気さくな方が多い、明るい職場ですね。適宜必要な指導をしてくださって、仕事は真剣に取り組みつつ、普段は楽しく冗談も言い合える関係性で居心地がいいです。

――メリハリをつけつつ、楽しげな雰囲気が溢れる職場なんですね。同期入社の方との交流もありますか。

楽しい人が多いので、よく一緒に集まって飲んでいます。弊社は車通勤の方がほとんどなので、一度帰宅して岡山駅で集まって飲みにいく、なんてこともよくありますよ(笑)。

――楽しそうな雰囲気が伝わってきます。若手の活躍機会についてはいかがですか。

個人的には、若手の活躍機会が多いと感じます。今の部署で働き始めてから実質1年ほどですが、9回ほど国内出張を経験し、現場での不具合対応や追加の変更などを任せていただきました。同期の中には、海外出張経験者もいるので、外に出るチャンスが多い印象です。

振り返ってみると、過去の出張の中には、私の学びのためにあえて上司や先輩方が経験させてくださったと感じるものもあります。若手の知識や段階を踏まえて、できることはどんどん任せていただける環境なので、求職者の方には安心して飛び込んでいただきたいですね。

――ありがとうございます。最後に、嵯峨さんの今後の目標を教えてください。

電気設計の領域において、社内全体から頼られるプロフェッショナルを目指したいですね。配属以降、ずっと指導いただいている直属の上司がいるのですが、まさにその方が私のロールモデルで。1つの図面上には何十もの電気回路が張り巡らされているのですが、不明点を尋ねると、いつでもすぐに的確なアドバイスをしてくださるんです。

私もいつか、部署や会社を支えられるような人材になりたいと思っています。そのためにも学びには貪欲に、自分自身の専門性を高めていきたいです。

 

(取材:大久保 崇・執筆:神田 佳恵

 

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